毎月の固定収入を増やすことが期待できる「サブスクリプションビジネス」ですが、かつては導入を考えることが想像できなかった分野にも、広がりを見せています。
この記事では、サブスクリプションビジネスが流行る理由は何か、徹底解説していこうと思います。
そもそもサブスクリプションとは?
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あまり聞き慣れない言葉でもあるサブスクリプションですが、もともとはどのような意味を持っていたのでしょうか。
英語ではsubscriptionと表記し、予約購読・予約金などの意味があります。
ソフトウェア業界で用いられていた言葉で、ソフトウェア自体を買い取るのではなく、ソフトを借りて利用期間に応じた料金を支払う方式を指します。
これが転じて、モノを買い取るのではなく、モノの利用権を借りて、利用した期間に応じて料金を支払う方式を指す言葉としても認知されるようになりました。
所有型のビジネスモデルが行き詰っている
サブスクリプションビジネスが流行している理由の一つに、かつてのモノ所有型のビジネスモデルが行き詰っていることが挙げられます。
テレビ・冷蔵庫・洗濯機が「三種の神器」としてもてはやされていた時代に反映されるように、かつてはモノをどれくらい持っているかが重要視されてきました。
個人の生活の繁栄を象徴していた点もあり、多くの人がモノを手に入れることにこだわってきました。
しかし、バブル崩壊以来不況が続き、モノを手に入れたくても手に入れられない層が、一定数存在するようになってきました。
そんな人達から、「みんなで一緒に購入したほうがいいよね」という発想がうまれました。
シェアリングエコノミーという新しい市場
また、実際にモノを所有するだけの財力があったとしても、それを好まない人達もでてきました。
一人でモノを所有することには無駄が多いという考えを持つ人です。
例えば、車を所有していたとしても一日中乗り続けている人はほとんどいません。
乗っていない時間は、無駄があり、利用しない時間帯は別の人に使ってもらったほうが、環境・資源的に効率が良いという考えです。
こういった市場が盛り上がってくることもあり、エンドユーザーのニーズが多様化してきたのです。
購買層が特定できなくなった
また高度経済成長の時期は、購買層のニーズを特定しやすいという利点がありました。
「生活をより豊かにするもの」にさえ焦点を当てれば、まず間違いなく消費者は手に取ってくれたからです。
【モノを持つ=豊かになる】という構図が、社会全体に確立していたのです。
しかし、それらのモノが容易く手に入るようになったとき、多くの消費者が嗜好品に手を出すようになります。
嗜好品はそのニーズが幅広く、モノによってはどうしてもニッチ市場に参入せざるをえないという特色があります。
そのため大手企業とは相性が悪く、コストパフォーマンスの悪さやニーズの取り違えを生み、結果的に退場せざるをえない企業も生まれました。
ユーザーにとってのメリット
特定の期間はコスパが良い
従来型の買い切り商品の場合、初回の購入時にユーザーは高額な代金を支払う必要があります。
けれどサブスクリプション型の商品・サービスに申込む場合は、月額を払っていくことになるので、ユーザーにとって、当初支払うことになるコストが安く認識されがちです。
実際のところは支払年月を経ていくことで、買い切り商品の場合のコストと逆転していくことになるのですが、逆転するまでの期間は割安で利用できていることになります。
よって、当初支払っていく金額のコストパフォーマンスは良く感じられます。
サブスクリプションを取り入れるのは、どの会社にとってもメリットがある
このように、消費者の嗜好が幅広くなった時代においては、選択肢を増やす努力が必要になります。
その点において、サブスクリプションのビジネスモデルを取り入れることは、どの会社にとってもメリットがある選択肢と言えます。
以下に、そのメリットについて取り上げていきましょう。
持続的に収入がある
ビジネスは基本的に、持続的に収入を上げることが求められます。
とはいえ、一度商品を販売して関係が終了するビジネスモデルでは、定期的な収入が見込めないリスクもあります。
この点において、サブスクリプションビジネスは貢献してくれます。
毎月何らかのサービスを利用する権利を販売しているため、基本的なサービスの構造が出来上がっていれば、都度商品の開発を行う必要はありません。
運営者側にとってはニーズに合わせて商品内容を改善・更新さえすれば、大きな設備投資を行ったり、商品開発に予算を割く必要性が減ります。
ユーザーにとっては、一から何かを購入する必要が無く、サービスが不要になったら解約するだけで良いので、出費が気軽になります。
お互いにメリットのある中で取引が継続するため、持続的な収入が見込みやすい利点があります。
サービスの頻度が一定回数以上ある場合、1回あたりの単価を安くできる
あるサービスを一回受けたときの単価と、複数回受けたときの単価が異なる場合は、できれば一回当たりの単価を減らしたいという思惑が働くはずです。
そのため、複数回受けたら単価が安くなる方に、消費者は考えが転びがちです。
この消費者の心理を活用することにより、継続課金を前提とした価格設定が可能になるのも、サブスクリプションビジネスの特徴の一つです。
サブスクリプションが取り入れられる仕事の幅は広がってきている
サブスクリプションは、様々な仕事に取り入れられてきており、想像もつかない分野にも進出しています。
以下に、詳細をご紹介していきます。
一定の時期に買い替えが必要なもの
衣・食・住を考えた際に、もっともサブスクリプションに馴染まなそうなのが「衣」の分野でした。
服は個々人でサイズが違いますし、貸し出すには破れるなどのリスクもあります。
しかし、その考え方を逆転させたサービスも増えてきました。
既製品の大きさで十分な方であれば、かえって衣類をレンタルして使った方が、いちいち買い替えなくて楽ではあります。
そのうえ、レンタルする会社がコーディネートを請け負ってくれる場合は、さらに衣類を選ぶストレスが軽減されます。
この点を見据えたサービスが、徐々に人気を集めています。
よく考えたら月に1度支払ってもらった方が、ユーザーも運営者も得な場合
美容室でカットを受ける方の中には、併せてカラーリングを希望する方もいると思います。
実際に施術を受けた方ならご存知かと思いますが、施術後は一定期間のうちに繰り返し施術しなければ、色がどんどん落ちていきます。
そのため、定期的にカラーリングを受ける必要性があります。
この点に着目し、カラーリングを月払いで受け放題にしたケースもあります。
ユーザー側はカットのついでにカラーリングを気軽に行え、フロービジネスの典型だった美容室が、継続的な収入を得られるという成功例につながりました。
頻繁に消費するもの
基本的には都度購入するものであっても、頻繁に消費する日用品であれば、月額で購入した方がおトクになる場合があります。
また、一回購入すると長続きする反面、金額が高いものもあります。
これらの製品も、消費の頻度が頻繁であればあるほど、サブスクリプションを取り入れるメリットが多くなります。
おわりに
ちょっと目線を変えてみるだけで、サブスクリプションのビジネスモデルを取り入れられそうな例は、今後どんどん増えてくることが予想されます。
自分の取り扱う商品にその要素があるかどうか、一考の価値はあるかもしれませんよ。