広告運用に使えるMCPはどれ?自社で使っている公式の読み取り専用MCP3つと、書き込みをAIに任せない理由【2026年版】
AIに広告運用を手伝わせるとき、まず必要になるのがAIに広告やアクセス解析のデータを読ませる仕組みです。その仕組みとしてよく使われるのがMCP(Model Context Protocol)です。
ただ、「Google広告 MCP」で調べると、公式のものから個人が作ったもの、広告の設定まで書き換えられるものまで、たくさん出てきます。この記事では、当社(TAKETIN)が実際に広告運用で使っているMCPを紹介し、あわせて選ぶときの基準と、書き込みをAIに任せない理由を書きます。AIを使った広告運用の全体像は AI駆動で広告運用は本当にできるのか? にまとめています。
MCPとは?広告運用で何ができるのか
MCPとは、AIと外部のサービスをつなぐための共通の仕組みです。MCPに対応したサーバー(つなぎ役のプログラム)を用意すると、AIが広告の管理画面やアクセス解析のデータを直接読みに行けるようになります。
広告運用でいうと、次のようなことを話しかけるだけで頼めるようになります。
- 「昨日、広告が表示された検索語句のうち、関係のないものを挙げて」
- 「先週と今週で、キャンペーンごとのクリック単価はどう変わった?」
- 「広告から来た人が、サイトのどのページで離れているか見て」
管理画面を開いて表を出して…という作業を、AIが代わりにやってくれるってこと?

そうです。表を出して読む作業をAIに任せ、人は「どうするか」を決めることに時間を使えるようになります。
当社が広告運用で使っているMCP
当社が使っているのは、次の3つです。3つとも各社が公開しているもので、読み取り専用です。
| MCP | 提供元 | 読めるもの | 書き込み |
|---|---|---|---|
| Google Ads MCP | キャンペーン・広告グループ・キーワード・検索語句の成績、予算や状態 | できない(読み取り専用) | |
| Google Analytics MCP | GA4のレポート(流入元・ページ・コンバージョンなど) | できない(読み取り専用) | |
| Microsoft Clarity MCP | Microsoft | ページの見られ方(スクロール・クリック)の集計、セッションの録画の一覧 | できない(読み取り専用) |
1. Google Ads MCP(Google広告)
Googleが公開しているGoogle広告用のMCPです(Google Ads API の公式ドキュメント)。現在の版は読み取り専用で、入札の変更やキャンペーンの停止はできません。広告の成績を、Google広告のデータ用の問い合わせ言葉(GAQL)で取り出せます。
当社では、毎日の検索語句の確認と週ごとの数字の振り返りに使っています。AIが検索語句を読み、関係のない検索と除外キーワードの案を出し、人が管理画面に貼ります。
気をつけたいこと:管理画面の「コンバージョン」は、最後にクリックされた広告にしか付きません。ここがゼロでも、広告が何も生んでいないとは限りません。次のGA4と組み合わせて見るのが前提です。
2. Google Analytics MCP(GA4)
Googleが公開しているGA4用のMCPです(Google Analytics の公式ページ)。こちらも読み取り専用で、GA4の設定は変えられません。
当社では、広告から来た人がその後どうしたか、最初にどこから来た人が問い合わせにつながったかを調べるのに使っています。広告の管理画面だけでは見えない動きが、ここで見えます。
気をつけたいこと:GA4の数字には「回数」と「人数」があります。当社では、同じ1人が何度も記録した回数を件数として数えてしまい、数字を大きく見誤ったことがあります。AIに数字を出させたら、何を数えているか(回数か人数か)を必ず確かめてください。
3. Microsoft Clarity MCP(ページの見られ方)
Microsoftが公開している、Clarity(ページのスクロールやクリック、セッションの録画を記録する無料ツール)用のMCPです(GitHub の Microsoft のリポジトリ)。ページごとの集計を聞いたり、条件に合うセッションの録画を一覧にしたりできます。
当社では、広告で連れてきた人がページのどこで止まり、どこで帰ったかを確かめるのに使っています。「数秒で帰っている」と思っていたページが、録画を見ると実際にはしっかり読まれていた、ということもありました。
気をつけたいこと:もとになるClarityのデータ取得のAPIは、1プロジェクトあたり1日10回まで、取れるのは直近1〜3日分という制限があります(Microsoft の公式ドキュメント)。長い期間の比較には向きません。
Search Console は?
自然検索の数字を見る Google Search Console には、2026年10月時点でGoogleの公式のMCPは見当たりません。個人や企業が作ったものはいくつかあります。当社は、Search Console の公式のAPIを読み取り専用の権限で呼ぶ小さなプログラムを自分たちで用意して使っています。
広告運用のMCPを選ぶ3つの基準
| 基準 | 理由 |
|---|---|
| ① 提供元がはっきりしているか | 広告アカウントやアクセス解析への接続を預けるもの。広告やアクセス解析のサービス会社自身が公開しているものを優先する |
| ② 読み取り専用か | 書き込めるMCPは、AIの判断ひとつで設定が変わる。事故が広告費に直結する |
| ③ 認証情報をどう扱うか | APIの鍵やトークンを設定ファイルにそのまま書くと、ほかの人やAIの出力から見えてしまうことがある。置き場所と、やめた人が出たときの作り直しを決めておく |
書き込みできるMCPを、当社が使わない理由
広告の設定まで変更できるMCPも、個人や企業が作ったものの中にはあります。当社は使っていません。理由は3つです。
- 何が原因で変わったか追えなくなる:以前、外部の自動の仕組みが広告の予算を毎日書き換えていたのに、長いあいだ把握できていなかったことがあります
- 事故が広告費に直結する:除外キーワードを1語、広く止める形で入れただけで、いちばん出したい検索がすべて止まった経験があります
- 書き込む量はそれほど多くない:除外キーワードの追加は1日に数語。AIが作った案を人が貼っても30秒ほどです
AIは読んで案を出す。決めて押すのは人。この分担なら、読み取り専用のMCPで十分に回ります。
よくある質問
MCPを使うのに、プログラミングの知識は必要ですか?
つなぐときに、設定ファイルを書いたり、各サービスの認証の設定をしたりする作業があります。手順は各社のドキュメントに書かれていますが、最初の設定だけはITに詳しい人に手伝ってもらうと安心です。つないだ後は、話しかけるだけで使えます。
費用はかかりますか?
この記事で紹介した3つのMCP自体は、各社が無料で公開しているものです。ただし、つなぐ先のAIのサービスの利用料や、Google広告のAPIを使うための申請などが必要になる場合があります。条件は変わることがあるので、各社の公式ドキュメントで確認してください。
広告やアクセス解析のデータをAIに渡しても大丈夫ですか?
広告やアクセス解析のデータは、ふつう個人を特定する情報を含みません。ただし、問い合わせの内容や会員の情報までAIに渡す場合は、別の注意が必要です(AIに会員の情報を渡す前に決めること)。
まとめ
- MCPは、AIに広告やアクセス解析のデータを読ませる仕組み。話しかけるだけで集計や確認を頼めるようになる
- 当社が使っているのはGoogle Ads MCP・Google Analytics MCP・Microsoft Clarity MCPの3つ。どれも各社が公開している読み取り専用のもの
- Search Console には公式のMCPが見当たらないため、公式のAPIを読み取り専用で使っている
- 選ぶ基準は提供元・読み取り専用か・認証情報の扱い
- 書き込みはAIに任せない。AIは読んで案を出し、人が決めて押す
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