決済代行会社は、安定性のあるビジネスモデルと言われています。
その理由の1つが、毎月決まった金額の手数料がユーザーから入金されるという点になります。
今回は、決済代行会社のビジネスモデルに着目しつつ、毎月の手数料を支払ってでもなぜユーザーが決済代行会社を利用するのか、その理由を探っていきたいと思います。
ビジネスモデルの種類を大別してみよう
Table of Contents
決済代行会社のビジネスモデルを紹介していく前に、まずは一般的にビジネスモデルにはどのようなものがあるのか、紐解いていきましょう。
ビジネスには、フロービジネスとストックビジネスがある
ビジネスには、おおむね2つのビジネスモデルがあります。
フロービジネスとストックビジネスです。
どちらか片方だけを行っているという会社もありますが、大企業の多くは両方の側面を持つビジネスモデルを兼業していることが多いです。
フロービジネスは一度きりの関係
フロービジネスは、ユーザーとは1回ごとのやり取りで終わるケースが多いです。
簡単に言うと、お金とモノ・サービスとを交換して完了という流れです。
スーパーや百貨店での買い物が良い例になります。
フロービジネスは基本的にはレジなどを通すだけで関係性が完了するため、その後も同じお客様からお金をもらえるかどうかは契約上保証されません。
よって、気軽に取引できるのがメリットですが、安定した収入に結びつくという保証があるわけではありません。
ストックビジネスは長いお付き合い
ストックビジネスの場合は、関係がある程度長く続きます。
一定の期間継続して商品・サービスの提供を受ける前提のもと、契約を進めるビジネスモデルとなります。
塾やスポーツジムなどが好例ですが、一定期間サービスを固定的に受ける場合は、一回ごとに料金を支払うよりも月ごとの支払いにした方が、ユーザー・事業者双方にとって効率的です。
長期にわたり関係が続くため、ユーザー側が慎重になりやすいという点は否めませんが、一度信頼関係が築かれると10年以上の固定収入が見込めるケースも少なくありません。
決済代行会社は超安定企業の1つ
決済代行会社は、固定収入を前提とするビジネスモデルを相手に商売をしているわけですから、必然的にストックビジネスに分類されます。
毎月決まった額が入金になることは、ビジネスにとっては望ましい形態であり、安定した経営がある程度保証されます。
そんなストックビジネスに必須のコンテンツを提供する決済代行会社は、超安定企業の1つと言っても過言ではないでしょう。
決済システムを一度導入すると、入れ替えが発生しずらい
決済システムは、自前で導入することを考えると大掛かりになりますが、決済代行会社との契約であれば、ある程度カスタムされたシステムをベースに、自分たちのビジネスに必要な機能を取り付けることができます。
そのため、使い勝手が良いシステムであればあるほど、入れ替えを検討するユーザーは少ないのが現状です。
新規事業はできればストックビジネスをやりたい企業が多い
ユーザーからお金を毎月決まった金額を得られるわけですから、事業者としては商品販売にストックビジネスの概念を取り入れたいと考えるケースが多いはずです。
毎月ビールを6本買うことがあらかじめ分かっているなら、定期購入をあっせんしたくなるのが人情です。
ビジネスチャンスの拡大にもつながりますから、潜在的ニーズはどの企業にも存在しています。
システムの陳腐化により、乗り換えを検討する会社もターゲットになる
会社の急激な成長により顧客数が増え、既存のシステムでは運用が追い付かないケースもままあります。
この場合は、システム自体を乗り換えなければ、会社の運営に影響を及ぼす可能性もあります。
ストックビジネスの形態を主とし、決済代行会社と契約している既存企業の中にも、ビジネスチャンスが眠っているのです。
ストックビジネスをビジネスに導入するには、決済代行会社は必須
ストック型のビジネスモデルを導入するには、顧客が増えれば増えるほど、自前では対応が追い付かなくなります。
そのため、顧客管理を徹底するためにも、決済代行会社のサービスを導入するのは必須条件と言えます。
決済代行会社は手数料で食べている
決済代行会社の収入源は、ユーザーから受け取る毎月・決済ごとの手数料になります。
手数料で食べている彼らは、必然的に毎日・毎月使用してもらって満足してもらえるサービスを提供せざるをえません。
サービス内容の質が生命線となるため、個人で取り組むよりは圧倒的にクオリティの高いサービスを提供してもらえます。
ユーザーの手数料によって、良いサービスが提供されている
決済代行会社は、ユーザーが支払う手数料によってサービスを提供できることをしっかりと認識しています。
そのため、ユーザーのニーズを先回りして考え、より良いサービスを提供することに余念がありません。
そうしなければ自分たちが存在できないことを、よく知っているからです。
支払う手数料の額に値するメリットがあるかどうかが重要
決済代行会社の利用を検討するユーザーの中には、手数料を支払うことに抵抗を感じる方が多いのも現実問題として存在します。
それは、決済代行会社のビジネスモデルが、ユーザーありきであることを知らないユーザーが多いためです。
ユーザーに継続的にお金を払ってもらわなければ、自分達のビジネスが成り立たないという目線で、決済代行会社は商品を提供しています。
そのため、きちんと自分のビジネスモデルと照らし合わせて考えれば、決済代行会社への手数料を支払うだけの魅力は十分に存在しています。
自分のビジネスがどのようなものかを分析したうえで、必要なものだけを厳選して選べば、適正な予算でサービスが受けられます。
まずは、費用対効果を見極め、メリットのある商品を選ぶことが肝心です。
おわりに
決済代行会社を安定したビジネスモデルとしているのは、ユーザーからの安定した手数料徴収にあります。
それだけに、業界全体を通してサービス向上に努め、多様なニーズに応える企業努力をしています。
いたずらに予算を気にするのではなく、決済代行会社が持つサービス・システムの機能をしっかりと吟味したうえで、サービス導入を検討しましょう。