ターゲットユーザーを特定する方法：ペルソナ設計の重要性

「誰に届けたいのか？」がすべての出発点

どんなに素晴らしいサービスやコンテンツでも、それが“誰のためにあるのか”が
曖昧では、届けたい人には届きません。

有料会員サイトも例外ではなく、むしろこの「届ける相手」が、明確であることが
継続課金モデルの成功を左右する大きな要素になります。
サービスを立ち上げるとき、よくある落とし穴が「できるだけ多くの人に使ってほしい」という考え方です。一見、間違っていないように感じますが、結果的に“誰にも刺さらない”コンテンツになってしまうケースが少なくありません。

そこで大切なのが、ペルソナ設計です。
これは、届けたい「たった一人の理想のユーザー」を明確にすることで、サービス全体の方向性が見えてくる非常に強力なマーケティング手法です。

「たくさんの人に」届けようとするより、「この人に届けたい！」って思う方が自然とサービスに“想い”がのりますよ！

はくにゃん

ペルソナとは？ターゲット設定との違いを整理する

まず押さえておきたいのは、
「ターゲット」と「ペルソナ」は似ているようで、違うということです。

ターゲットとは？

ざっくりとした属性情報のこと。
例：30〜40代／女性／都市部在住／会社員／子育て中

これは大まかな指標として便利ですが、この情報だけでは「どんな言葉が刺さるか」
「どんな悩みを持っているか」が見えてきません。

ペルソナとは？

まるで実在する人物のように
名前・年齢・性格・価値観・行動パターンまで詳細に描く　“架空の理想顧客像”　です。

例：

• 名前：佐藤優子
• 年齢：38歳
• 家族：夫・小学生の娘
• 居住地：埼玉県／都内勤務（時短）
• 趣味：読書・カフェ巡り
• 課題：仕事と育児の両立に疲れ、自分の時間が取れない。将来への不安と
  今のままでいいのかというモヤモヤがある。

名前や年齢だけでなく、価値観やライフスタイル、悩み、口ぐせまでを設定することで
まるで目の前にいる人のようにリアルに感じられる存在になるのです。

ペルソナは“ターゲットの代表者”というより
“一番大切にしたいお客さん”のイメージなんですね。

はくにゃん

ペルソナ設計がなぜ重要なのか？5つの理由

ペルソナ設計は「マーケティング的に必要だから」だけではなく
サービスづくりの土台を整えるうえで、とても実践的な役割を果たします。

コンテンツの内容がブレにくくなる

「この人が読んだら、何を感じるか？」という視点を持つことで、迷ったときの判断基準ができるようになります。これは、特に長期運営を前提とする有料会員サイトでは、とても大事です。

コピーや言葉選びが自然に“刺さる”ようになる

誰にでも届く言葉は、誰の心にも届きません。むしろ、「あ、これ私のことだ」と
感じてもらえるような具体性がある方が、ファンが自然と集まりやすくなります。

コンテンツ以外の設計にも活かせる

• ページの色・雰囲気
• 写真やイラストのテイスト
• ボタンの文言

なども、ペルソナに合わせることで一貫性が出て“世界観”が伝わりやすくなるのです。

統一感のあるサイトって、それだけで安心感があります。
ペルソナに合わせて整えるって、実はユーザーへの“おもてなし”なんですね。

はくにゃん

ペルソナ設計の基本ステップ（実践編）

ステップ1：ターゲットをざっくり決める

例）30代女性・フルタイムで働いていて、将来に不安を抱えている

ステップ2：詳細なプロフィールを想像する

名前、年齢、住まい、家族構成、職業、年収、1日のスケジュール、よく見るSNS、口ぐせ
好きなブランドなど

ステップ3：悩み・不満・願望を書き出す

• 時間がない
• 周囲に本音を話せる人がいない
• SNSを見て自己肯定感が下がる
• 一歩踏み出したいけど怖い

ステップ4：このサービスと出会ったことでどう変わるかを描く

• 「自分のままでいい」と思えるようになった
• 毎月届くコラムや音声で前向きな時間が持てるように
• 応援し合える仲間ができて安心感が生まれた

ステップ5：ストーリー化する

例：
佐藤優子さん（38）は、朝から晩まで家事と仕事に追われる日々。
ふとした瞬間に「このままでいいのかな」と心がざわつく。
そんなとき、SNSで出会ったのが〇〇という会員制サイト。1日5分の音声配信が
彼女の生活を少しずつ変えていく…

ペルソナは“設定”じゃなくて、“物語”として捉えると
自然とイメージが広がりますね！

はくにゃん

よくある失敗例と、改善のヒント

自分の願望を詰め込みすぎてリアルじゃない

「こういう人に来てほしい！」という気持ちが強すぎると、現実離れしたペルソナになってしまうことがあります。
▶ヒント：SNSや過去の顧客の声をヒントに、現実に近い人物像を設計しましょう。

ただの属性情報で終わっている

年齢や職業だけでは、本当のニーズは見えてきません。
▶ヒント：価値観や感情レベルの情報を入れることで、ペルソナが“人間らしく”なります。

一度作って放置してしまう

サービスの内容やユーザーの反応に変化があったとき、ペルソナも見直しが必要です。
▶ヒント：季節ごと、またはキャンペーン前などに、都度見直す習慣をつけましょう。

ペルソナは“紙の上の人”じゃなくて、ユーザーとの関係性そのもの。
成長とともに育てていく存在なんですね！

はくにゃん

ペルソナを活かして会員サイトに反映させるポイント

ペルソナをしっかり設計して終わり――ではありません。
その“人物像”をサービスのあらゆる部分に具体的に反映することが
会員制サイトの運営を成功させる大きなカギとなります。

ここでは、「コンテンツ設計」「サイト構成」「発信・集客導線」「UX（ユーザー体験）」「顧客フォロー」の5つのポイントに分けて、実際の活かし方を詳しくご紹介します。

コンテンツ設計：その人の「今」に寄り添うテーマ選び

ペルソナを活かす最大のチャンスが、日々更新されるコンテンツの企画やテーマです。

たとえば、こんな問いかけをしてみましょう：

• 今、この人はどんなことで悩んでいる？
• 朝起きたとき、最初に浮かぶモヤモヤは？
• 「こんな情報があれば…」と思っていることは？
• 解決策に対して、どんなハードルを感じている？

サイト構成・デザイン：ペルソナの世界観に合わせる

ペルソナの人物像が明確になると
サイトの色・フォント・画像・文章トーンなども自然に選びやすくなります。

例：30代ナチュラル志向の女性ペルソナの場合

• 配色：落ち着いたベージュ、オリーブ系のやさしいトーン
• フォント：明朝系、読みやすく柔らかい書体
• 写真：キラキラしすぎず、日常感あるリアルな風景
• トーン：共感ベースで、「わかる、つらいよね」と寄り添う文体

 ペルソナに“嫌われない”設計が大事です。
「絶対に刺さる！」を目指すよりも「この人が違和感なく、安心して読める・使える」を
大切にしましょう。

発信・集客導線：ペルソナがいる場所に、ペルソナの言葉で

いくら良いサービスでも、ペルソナが日常的に見ていないSNSやメディアに載せていては
届きません。

集客導線を見直してみましょう：

• ペルソナはInstagramユーザー？それともX（旧Twitter）？
• 動画が好き？音声派？文章派？
• 検索で探す人？それともシェアされて偶然出会う人？

 ペルソナの心に響く言葉で発信する。
「悩みのど真ん中に刺さる言葉」「自分のことだと思える問いかけ」は、興味を引きます。

例：✖ ありがちなコピー 　　「人生を変えるオンラインサロン」
　　◎ ペルソナ視点 　　　　「もう、自分を責めるのをやめたいあなたへ」

UX設計：使いやすさもペルソナ視点で見直す

ペルソナが「どのくらいネットリテラシーがあるか」「どんな端末で閲覧しているか」も
サイトの操作性や機能設計に影響します。

例：スマホで隙間時間に閲覧する主婦層向け

• スマホ完全対応（縦スクロールで完結）
• ボタンは大きめ・タップしやすく
• 動画は音声オンでも視聴できるよう配慮
• テキストは“ながら読み”でも理解しやすい構成に

「自分で試してみる＋他人に使ってもらう」
ペルソナ像に近い知人・友人に試してもらい、操作性や印象をフィードバックしてもらうのも
効果的です。

継続率アップにつなげるフォロー施策

ペルソナに合わせたフォロー・リテンション設計をすると、継続率が高まりやすくなります。

こんな工夫が有効です：

• ペルソナが感じやすい「不安」や「寂しさ」をケア
  　例：孤独感 → コミュニティ機能、月1ライブ配信
  　　　飽きやすさ → 月ごとに変わるテーマ、季節イベント
• 認められたい気持ちを満たす
  　例：コメントへの返信、成果報告のシェア、限定バッジ制度
• 忘れない仕掛け
  　例：週1の自動リマインドメール、カレンダー登録リンク付き通知

ペルソナを使って発信すると、“伝える”じゃなくて“対話する”感覚に
変わっていくのが面白いところです！

はくにゃん

まとめ

会員制サイトを成功させるために、ペルソナ設計は欠かせない要素です。
「誰に届けたいのか？」を明確にし、その人の悩みや日常に寄り添った
コンテンツ設計・発信・サイト構成を行うことで、共感と信頼を得るサービスへと
育っていきます。一人の理想のユーザーを思い描くことが
未来のファンとの架け橋になるのです。

TAKETIN調査兵団

編集長

某企業のマーケティング部に勤務するも、「もっと自由に世界を調査したい！」と謎の衝動に駆られ、TAKETIN調査団を立ち上げる。最初はブログだったが、いつの間にか団員（読者）が増え、気づけば編集長に。本人いわく「気づいたら編集長になっていたので、責任感はそこそこです」とのこと。