サブスクと従来型ビジネスの違いとは?

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ビジネスモデルにはさまざまな形がありますが、大きく分けると「売り切り型(従来型ビジネス)」と「継続課金型(サブスクリプションビジネス)」の2つに分類されます。従来型は1回の販売で完結する取引を前提とし、主に製品販売や単発サービス提供に用いられます。

一方、サブスクリプションは、定期的な課金を通じて長期的な関係を築き、継続的に価値を提供していくモデルです。

この2つのビジネスモデルには、売上の発生タイミング、顧客との関係性、利益の構造などに明確な違いがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。市場環境や提供するサービスの特性に応じて、どちらのモデルが適しているかを見極めることが重要です。

ビジネスには大きく分けて「売り切り型(従来型)」と「継続課金型(サブスクリプション)」の2つがあります。それぞれの特徴や仕組み、戦略面での違いをより詳しく見ていきましょう。

1. 売上の仕組み

従来型ビジネス

  • 商品やサービスを1回売って終わり、その場で収益が確定します。売上は単発で発生するため、短期間でのキャッシュの回収が可能です。
  • ただし、売上を維持・拡大するためには常に新しい顧客を開拓する必要があり、継続的に高い営業・マーケティングコストがかかる傾向があります。
  • 例えば、自動車販売や家電製品のような高額商品では、購入頻度が少ないため、リピートの機会が限られています。加えて、売上は月や季節ごとの変動が大きく、経営の安定性に課題が残る場合もあります。

サブスクリプション

  • 一定期間ごとに継続的に料金を支払ってもらう仕組みです。1回あたりの収益は少ないものの、契約が続く限り安定した売上が積み上がっていきます。
  • 音楽配信や動画サービス、ソフトウェアのライセンス提供などが代表例で、顧客の継続期間が長くなるほどLTV(顧客生涯価値)も高くなります。
  • さらに、初期費用が低く導入しやすいことで顧客のハードルも下がり、獲得数を増やしやすくなります。売上の積み上げ型モデルであるため、長期的にはより高い収益性と予測可能性が見込めます。一定の期間ごとに継続的に料金を支払ってもらう仕組み。
  • 1回あたりの収益は少ないものの、契約が継続する限り収益が積み上がっていきます。長期的に見るとLTV(顧客生涯価値)が高くなりやすく、収益構造が安定しやすいです。
  • また、収益の積み上げによってキャッシュフローも予測しやすくなります。

1回だけのお買い物と、定期的に“ありがとう”って支払ってくれる関係ってことだね!

はくにゃん
はくにゃん

2. 顧客との関係

従来型

  • 従来型のビジネスでは、商品やサービスの販売が完了した時点で顧客との関係も一区切りとなる場合が多く、アフターフォローや継続的な接点は限られます。
  • そのため、ブランドへの信頼や愛着を深める機会が少なく、顧客が再度購入するかどうかは、価格やタイミングなど偶然に左右される部分が大きくなります。
  • また、1回限りの取引では、顧客の意見を商品開発や改善に反映する機会も得づらくなります。

サブスク

  • 一方、サブスクリプションモデルでは、顧客との関係性がビジネスの根幹となります。
  • サービスを継続して使い続けてもらうために、運営側は常に顧客満足を意識しなければなりません。問い合わせ対応の迅速さや、定期的なアップデート、パーソナライズされた提案などを通じて、顧客との信頼関係を深める努力が求められます。また、継続利用の中で得られる顧客の声や行動データをもとに、サービスを改善・進化させていくことが、長期的な成功につながります。

サブスクって、付き合いが長い分“信用される”のが大事だね!

はくにゃん
はくにゃん

3. 売上の予測

従来型

  • 季節や流行、キャンペーンによって売上が上下しやすく、経営の見通しが立てにくいです。月ごとの売上が不安定になりがちで、事業計画や在庫管理、スタッフの配置などにも影響が出やすくなります。
  • 特に、ピーク期と閑散期の差が大きいビジネスでは、収益の波が経営リスクとなることもあります。

サブス

  • 契約者数に基づいて、ある程度安定した売上の予測が可能です。継続課金が基本となるため、翌月以降の売上やキャッシュフローも予測しやすくなります。これにより、設備投資や新規事業の検討など、中長期的な戦略を立てやすくなります。
  • また、LTV(顧客生涯価値)をもとに、1人あたりの売上貢献を計算することで、広告費や開発費の投資判断もしやすくなります。

4. マーケティングのスタイル

従来型

  • 新規顧客の獲得が最優先されるため、認知拡大や販売促進に多くのコストが割かれます。
  • チラシ、テレビCM、オンライン広告など、短期的に売上を上げるための施策が中心となります。顧客との関係性が一度きりになることが多いため、購入後のアフターフォローにはあまり重点が置かれません。

サブスク

  • 初回の契約に加え、その後の継続利用を促すことが最も重要になります。満足度向上のためのサポート体制や、利用状況に応じたリマインド、アップセルやクロスセルの提案など、顧客と長く関わるための仕組みが必要です。
  • また、無料トライアルや低価格のスタートプランなど、初回導入のハードルを下げる施策もよく用いられます。初回体験の良し悪しが解約率に大きく影響するため、最初の印象作りが重要です。

“売る”より“続けてもらう”ほうがむずかしいって聞いたことあるよ!

はくにゃん
はくにゃん

5. コストと利益の考え方

従来型

  • 初回の購入で利益を得る「一括回収型」のモデルです。1回の購入価格にすべての原価・利益・広告費などを含める必要があるため、販売単価が高くなりがちです。
  • 短期的には高い利益率を確保しやすいものの、継続的な売上を得るには再購入してもらう必要があります。商品寿命が短かったり競合が多い市場では、利益の安定化が難しくなることもあります。

サブスク

  • 月額や年額で分割して支払うため、初期の売上は小さいですが、継続的に支払ってもらうことで総合的な利益が高くなります。
  • LTV(顧客生涯価値)を最大化する戦略が重要で、サービスの質やサポート、コンテンツの更新などが継続率に大きく影響します。
  • また、初期費用が抑えられるため、顧客が利用を始めやすいという利点もありますが、解約されるとすぐに収益が止まるため、安定収益を得るには解約率の管理が欠かせません。

まとめ

ここまで見てきたように、従来型ビジネスとサブスクリプションビジネスは、売上の発生タイミングや顧客との関係性、収益の安定性、マーケティング手法など、多くの面で根本的な違いがあります。

従来型は短期間で収益を上げやすい一方で、常に新規顧客を獲得し続けなければなりません。

それに対してサブスクモデルは、初期の売上は小さいものの、長期的に安定した収益と顧客との信頼関係を構築できる点が大きな強みです。

また、LTVの考え方や解約率の管理、継続率向上のための改善サイクルなど、サブスクならではの戦略視点も求められます。

どちらのモデルが優れているかというよりも、自社の商品・サービスの特性や、顧客ニーズ、市場の性質に応じて、最適なモデルを選ぶことが重要です。

項目従来型ビジネスサブスクリプション
売上の発生単発(1回ごと)継続(月額・年額)
顧客との関係短期的長期的
売上の予測難しいしやすい
成功のカギ販売数の多さ継続率・顧客満足度の高さ
利益のタイミングすぐ得られる時間をかけて積み上げる
マーケティング新規獲得中心既存顧客の維持と育成が重要

ビジネスを始めるとき、どっちが自分に合ってるか考えるのが大事だね!

はくにゃん
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ABOUT ME
TAKETIN調査兵団
TAKETIN調査兵団
編集長
某企業のマーケティング部に勤務するも、「もっと自由に世界を調査したい!」と謎の衝動に駆られ、TAKETIN調査団を立ち上げる。最初はブログだったが、いつの間にか団員(読者)が増え、気づけば編集長に。本人いわく「気づいたら編集長になっていたので、責任感はそこそこです」とのこと。
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