決済代行会社の手数料は、よく比較して決めると間違いがありません。
継続課金ビジネスを進めていくうえで、継続的に支払いが必要になるランニングコストについては、少しでも多くの知識を持っておく必要があります。
この記事では、決済代行会社の主要手数料について、会社によってどれだけの違いがあるのかを比較してみました。
ほぼどの会社でも支払う必要があるのは「決済手数料」
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主要決済代行会社の手数料においては、ほぼどの会社でも決済手数料を支払う必要があります。
これはカード決済にかかる手数料のことで、とくに日本のカード決済手数料は高いと言われています。
理由としては、日本ではカード利用時に利用者に付与する還元ポイントなどが普及していて、還元率も高い傾向にあるようです。
よって、事業者が負担する決済手数料もおのずと高くなるという仕組みです。
カードブランド(カード会社)が求める手数料がメインとなりますので、これを無くし決済手数料を無料にすることを考える決済代行会社は、まず存在しないと考えた方がよいでしょう。
個別対応か、一律か
決済手数料は、多くの会社が料率を個別対応としています。
これは、利用者それぞれの属性や商品内容等に応じて、変動する可能性があることが一因です。
しかし、どの利用者にも一律で料率をかける会社もあります。
低いもので3.675%、高いものでは12%かかるところもあります。
考え方としては、物販や飲食系など粗利の少ないビジネスには手数料が高く、コンテンツ販売やサービス提供といった粗利の高く見えるビジネスには手数料が高くなると考えればいいようです。
その他、カード会社が利用者から代金回収ができなくなるリスクが高いと判断されるようなビジネスも手数料が高くなります。
どちらがおトクかは一概には言えませんが、個別対応の方が利用頻度や交渉次第で安くなる可能性を秘めています。
決済手数料は低ければ低いほどいい?
決済手数料は、低ければ低いほどよいと言えるのでしょうか。
一見安ければ安いほど良いと感じられそうですが、決済代行会社を選ぶ場合はまずサービスが重要です。
いくら毎回の決済手数料が安くても、自分たちが使いやすいシステムでなければ意味がありません。
目先の金額にとらわれずに、サービス面も考慮して、総合的に判断しましょう。
個別対応の幅はどのくらい?
個別対応となる場合、実際にはどのくらいの利率の幅があるのでしょうか。
決済代行会社でパーセンテージを決める基準の一つに、取扱商品の内容があります。
一部大手会社では、病院での治療にかかる支払いのカード決済導入であれば、2.5%という低い決済手数料となります。
しかし、情報商材・占いなどの場合、そもそも取引に際して国内のカードブランドからOKが出ること自体が稀です。
そのため、海外ライン(同一カードブランドでも、海外法人を経由して行う決済)を使う分、手数料がふくらんでしまいます。
モノや直接触れるサービス自体を取り扱う業種に比べると、実体としてのモノが無い商品は、成果が100%保証されるものではないため、その分慎重な価格設定となります。
運良く国内のカードブランドからOKが出れば3.6%、ダメなら5%〜になります。
会社によっては無料の場合もある「初期費用」・「月額費用」
決済手数料の他に主要な手数料としては、初期費用と月額費用があります。
基本的には多くの会社において必須ですが、一部無料となっているところもあります。
無料の会社はあるけど、そんなには多くない
初期費用と月額費用がともに無料となっている会社は確かに存在しますが、それほど多いわけではありません。
大手の運送会社系列の決済代行会社なら、安さを売りにすることができるケースはありますが、決済代行の業界自体に浸透している利点ではありません。
初期費用だけ、または月額費用だけが無料ということもあります。
見かけの安さを追うよりも、まずは機能を確認した方が安全と言えます。
ここにも個別対応と一律の流れが
初期費用・月額費用についても、多くの決済代行会社が個別対応となっています。
一律であれば予算の計算がしやすいですが、個別となるとしっかり話を聞いてから契約する必要があります。
事前に決済代行会社の新規窓口に電話すれば、営業担当者が業種に応じた金額を提案してくれます。
どこまで相談に乗ってくれるかは会社次第と言えますが、できる限り自分の望みに近づける努力はした方が良さそうです。
毎月かかる費用はできる限り安くしたいのが経営者のホンネ
とはいえ、毎月かかるランニングコストは、どの経営者でも抑えたいという気持ちがあるはずです。
個別対応の会社と交渉する場合でも、言いなりになるのではなく、自分なりの譲れない条件を持って交渉に臨む必要があります。
一辺倒な対応しかしてもらえないこともあるかもしれませんが、決済代行会社によっては柔軟な対応を売りにしているところもありますから、食い下がる価値はあります。
自分の商品に自信があるなら、妥協せずに希望を伝えましょう。
ところで「決済処理料」ってなに?
決済代行会社の手数料の種類を調べていると、決済処理料という名目の手数料があることに気付きます。
あまり聞き慣れない手数料ですが、どのような手数料を指しているのでしょうか。
決済処理料とは、クレジットカード会社とのやり取りにかかる費用
決済処理料は、ユーザーの決済金額に応じて発生し、一定の割合で請求される費用です。
クレジットカードの売上請求や、使用されたクレジットカードが有効なものかどうかをカード会社に確認するオーソリゼーションなど、カード会社と何らかの形で通信する際にかかる費用として徴収されます。
データのやり取りは個人では行わず、決済代行会社を通じて行う
クレジットカードのデータは、基本的に個人間でやり取りすることはありません。
カードを切ったときに出るレシートにも、全てのカード番号が表示されないように、カード情報は保護されているのです。
もしカードの情報を全て事業者が控えていたら、場合によっては第三者に悪用されることも考えられます。
そのため、事業者や顧客の個人情報を守るためには、しっかりとしたセキュリティが確保されている会社に管理を頼んだ方が安全です。
大手でも無料のケースはある
決済処理料は、その多くが個別対応ですが、先にご紹介した各種手数料と比べると、手数料無料としているところが多いのが特徴です。
ただ、決済処理料が無料になるという条件は、単独でメリットになるものではありませんから、やはり総合的な判断は欠かせません。
おわりに
決済代行会社の主要手数料について、駆け足ながらご紹介してきました。
初期費用や毎月の固定費用が無料になるのは嬉しいことですが、それだけに目を向けてしまうと、本来考えるべきサービスの部分がおろそかになってしまいます。
まずは、自分にとって必要なサービスを提供してくれる決済代行会社を複数調べておき、その中から金銭面での条件を比較するのが、賢い選択肢と言えるでしょう。